気づいている？AI時代の情報格差

ChatGPT以後の世界で、あなたは“使う側”か“使われる側”か

2024年、OpenAIが「ChatGPT」を一般公開したその日から、世界は静かに、しかし決定的に変わりました。今やAIは、誰でも無料で使える時代に突入しています。にもかかわらず、その真価に気づかず、活用できていない人が大勢います。

現在、世界の株式市場ではAI関連銘柄に資金が集中し、まさに「AIバブル」とも言える状況です。しかし、今回お伝えしたいのは「どのAI銘柄に投資すべきか？」という話ではありません。もっと根本的で、もっと身近な話です。

それは、「AIを使える人」と「使えない人」の間に、すでに大きな“情報格差”が生まれているという現実です。

AIは、あなたの“専属秘書”になれる存在

あなたが日々の生活で困ったとき、誰に相談しますか？家族、親友、職場の同僚。あるいは、薬の副作用については薬剤師に、パソコンの不具合なら修理店に足を運ぶかもしれません。あるいは、ネット検索で情報を探すこともあるでしょう。

でも、もしあなたの悩みや疑問に、24時間365日、即座に答えてくれる“専属の秘書”がいたらどうでしょう？しかも、医療、法律、IT、旅行、教育、投資、料理、子育て……あらゆる分野に精通し、あなたの話を遮らず、何度でも丁寧に答えてくれる存在が。

それが、AIです。そして、すでにその力は、誰でも無料で使える形で開放されています。

AIは“専門家の知識”を民主化する

AIの登場は、これまで専門家に相談しなければ得られなかった情報を、誰でも手に入れられる時代を切り開きました。しかもその情報は、世界中から集められた最新の知見に基づいています。

たとえば、ワープロ入力やローマ字が苦手な方、小さな子どもでさえ、マイク機能を使えば、まるで人と会話するようにAIとやり取りができます。難しい操作や専門知識がなくても、知りたいことを話しかけるだけで、即座に答えが返ってくるのです。

専門的な情報の一例を挙げましょう。これまで医師が信頼できる治療法を学ぶには、日本語だけでなく英語など他言語で書かれた学術論文を読みこなす必要がありました。そのために語学を学び、海外の学会に参加し、学術誌を定期購読するなど、多大な時間と労力を費やしてきたのです。

しかし、ここに大きな壁がありました。実は、英語で発表される学術論文の数は、日本語の論文の10倍以上とも言われています。つまり、日本語だけで情報を得ようとすると、世界の最先端の9割以上を見逃してしまう可能性があるのです。

ところが、AIはこの“言語の壁”を軽々と飛び越えます。英語で書かれた論文を日本語に翻訳し、要点をわかりやすく要約してくれる。しかも、専門家でなくても理解できるように、平易な言葉で説明してくれるのです。

これは、情報の非対称性を一気に縮める革命的な変化です。

「検索する時代」は終わった

これまで私たちは、知りたい情報を得るために検索窓にキーワードを入力し、表示されたサイトを一つひとつ開いてはスクロールし、必要な情報を探し出すという作業を当たり前のように行ってきました。しかし、こうした“情報を探す”という行為そのものが、すでに過去のものになりつつあります。

AIは、あなたが1時間かけて行っていた検索・比較・要約といった作業を、わずか数秒でこなします。しかも、単に一つのサイトを表示するのではなく、関連する複数の情報源を横断的に読み込み、要点を整理して提示してくれるのです。

つまり、AIは「すべてのサイトを訪問し、必要な情報だけを抽出してくれる存在」と言っても過言ではありません。

AIにもできないことはある。でも、それで十分すぎる

AIは万能ではありません。たとえば、インターネット上に存在しない情報や、まだ報道されていない最新ニュースを知ることはできません。また、未来を完全に予測することもできません。明日どの株が上がるか、どの企業が倒産するかといった“確定的な未来”を教えてくれるわけではないのです。

しかし、それでもなお、AIは圧倒的に有用です。なぜなら、世界中のあらゆる情報に瞬時にアクセスできるというだけで、私たちはこれまで以上に正確で、迅速で、納得感のある判断を下せるようになるからです。

情報格差は“使うかどうか”で決まる

AIを使える人と使えない人の間には、すでに大きな差が生まれています。それは、単なる「知識量の差」ではありません。「時間の使い方」「判断の質」「行動のスピード」——あらゆる面で、AIを使いこなす人が優位に立ち始めているのです。

かつて、インターネットを使える人と使えない人の間に“デジタルデバイド”が生まれたように、今まさに“AIデバイド”が進行しています。

まとめ：AIは「使う人の思考力」を拡張する

AIは、あなたの代わりに考えてくれる存在ではありません。むしろ、あなたの思考を加速し、深め、広げてくれる存在です。

• 疑問を持つ力（問いを立てる力）
• 情報を検証する力（鵜呑みにしない力）
• 得た知識を活かす力（行動に移す力）

これらを持つ人にとって、AIは最強のパートナーになります。逆に、思考を放棄し、AIに“答えを丸投げ”する人は、いずれAIに使われる側に回ってしまうかもしれません。

AI時代の情報格差は、すでに始まっています。あなたは、どちら側に立ちますか？