メンバーシップ型という労働形態の終焉・第2章: 制度変化の波及

第2章: 制度変化の波及

第2章では、雇用形態に影響を与える制度変化に焦点を当てています。特に、委託を中心とした雇用形態が変化していくことが、米国の事例を通して示されています。

委託型雇用の増加とその影響

委託型雇用は、特定の業務やプロジェクトを外部の個人や組織に依頼する雇用形態です。これが企業にとって人件費の削減や業務の効率化、多様性の確保などのメリットをもたらします。しかし、これがメンバーシップ型雇用においては、従業員と企業の関係性や契約のあり方を変化させ、仕事の自由度や多様性を提供します。

米国の委託型雇用の急増と予測

米国における非正規雇用者の増加には委託型雇用者も含まれ、その数が急速に拡大しています。2018年には約5700万人、2020年には8000万人に達すると予測されるほどの規模に成長しています。委託型雇用は米国において新たな働き方の主流となりつつあります。

日本での委託型雇用の増加とその影響

日本でも委託型雇用は増加傾向にあり、2019年には約2200万人、2020年には約500万人に達しています。こうした委託型雇用の拡大は、従来のメンバーシップ型雇用とは異なる働き方の選択肢として広がりつつあります。

総括

この章では、委託型雇用の増加が雇用形態に与える波及効果に焦点を当て、米国と日本の事例を通じてその拡大と影響を明らかにしています。委託型雇用が成長することで、メンバーシップ型雇用との違いやその影響を理解し、雇用形態の多様性が広がる可能性を示唆しています。