固定電話が使えなくなる?IP網移行に関する詐欺や勧誘に注意しよう

はじめに

皆さんは、固定電話のIP網移行という言葉を聞いたことがありますか?

IP網移行とは、固定電話の通信網がアナログ回線からIP網に切り替わることです。IP網とは、インターネットと同じ技術を使った通信網のことです。このIP網移行は、2024年1月から順次始まる予定です。

しかし、このIP網移行に伴い、固定電話が使えなくなるといった不審な勧誘が増えているというニュースがあります。

例えば、以下のような電話がかかってくることがあります。

  • 「固定電話が使えなくなるので光回線の契約が必要です。今なら工事費無料で切り替えられます。」
  • 「IP電話に切り替えると電話番号が変わります。新しい電話番号を教えてください。」

これらの電話は、IP網移行に関する詐欺や勧誘の可能性が高いです。

この記事では、IP網移行に関する詐欺や勧誘の実態と対策について解説します。

IP網移行とは

まず、IP網移行とは何なのか、その理由とメリット・デメリットについて説明します。

IP網移行の理由

IP網移行の理由は、主に以下の2つです。

  • 固定電話の需要減少
  • スマートフォンやインターネット電話の普及により、固定電話の利用者が減っています。固定電話の加入者数は、2000年の約5900万件から、2019年には約3000万件に半減しています。
  • 設備の維持限界
  • 固定電話の通信網は、約100年前に作られたアナログ回線をベースにしています。このアナログ回線は、老朽化や部品の入手困難などにより、維持が困難になっています。

これらの理由から、固定電話の通信網は、より新しい技術であるIP網に切り替えられることになりました。

IP網移行のメリット

IP網移行には、以下のようなメリットがあります。

  • 通話料金の安さ
  • IP網移行により、通話料金が安くなる可能性があります。IP網は、インターネットと同じ技術を使っているため、通話先の距離や時間帯に関係なく、一定の料金で通話できます。また、IP電話同士の通話は、無料になる場合もあります。
  • 音声品質の向上
  • IP網移行により、音声品質が向上する可能性があります。IP網は、アナログ回線よりも高い音声データを伝送できるため、よりクリアな音声で通話できます。

IP網移行のデメリット

IP網移行には、以下のようなデメリットもあります。

  • フリーダイヤルが使えなくなる
  • IP網移行により、フリーダイヤルが使えなくなる可能性があります。フリーダイヤルとは、電話番号の先頭が0120や0800などの番号で、通話料金が無料になるサービスです。しかし、IP網移行に伴い、フリーダイヤルの提供が終了する場合があります。その場合、通話料金が発生するか、別の番号に変更されるか、インターネット上の問い合わせフォームに切り替えられるかなどの対応が必要になります。
  • 一部のサービスが終了する
  • IP網移行により、一部のサービスが終了する可能性があります。例えば、以下のようなサービスが対象になります。
    • 電話番号案内サービス(104番)
    • 電話帳サービス(106番)
    • 電話相談サービス(113番)
    • 電話故障受付サービス(116番)
    • 電話番号変更案内サービス(117番)
    • 電話時報サービス(117番)
    • 電話留守番サービス(1571番)
    • 電話会議サービス(050番)

IP網移行に関する詐欺や勧誘の実態

次に、IP網移行に関する詐欺や勧誘の実態について紹介します。

IP網移行に関する詐欺や勧誘の手口

IP網移行に関する詐欺や勧誘の手口として、以下のようなものがあります。

  • 「固定電話が使えなくなるので光回線の契約が必要」と言って高額な契約をさせる
  • この手口では、IP網移行により固定電話が使えなくなるという嘘をついて、光回線の契約を勧めます。しかし、実際には、IP網移行によって固定電話が使えなくなるわけではありません。また、光回線の契約は、通常の市場価格よりも高額になっていることが多いです。
  • 「今だと工事料無料でIP電話に切り替えられる」と言って不必要な工事をさせる
  • この手口では、IP網移行に伴い、IP電話に切り替える必要があるという嘘をついて、工事を勧めます。しかし、実際には、IP網移行によってIP電話に切り替える必要はありません。また、工事は、不必要なものや過剰なものを行われることが多く、工事費も高額になることがあります。
  • 「IP電話に切り替えると電話番号が変わるので、新しい電話番号を教える」と言って個人情報を聞き出す
  • この手口では、IP電話に切り替えると電話番号が変わるという嘘をついて、新しい電話番号を教えるように求めます。しかし、実際には、IP電話に切り替えても電話番号は変わりません。この手口の目的は、電話番号以外の個人情報を聞き出して、悪用することです。

まとめ

この記事では、固定電話のIP網移行に関する詐欺や勧誘に注意しようというテーマで、以下の内容を解説しました。

  • IP網移行とは、固定電話の通信網がアナログ回線からIP網に切り替わることで、通話料金が安くなったり、音声品質が向上したりするメリットがあること
  • IP網移行によって固定電話が使えなくなるというのは嘘で、電話番号や電話機はそのまま使えること
  • IP網移行に伴う局内設備切替では、利用者側での手続きや工事は不要で、不審な勧誘には応じないこと
  • IP網移行に関する情報は公式な発表源から確認すること
  • IP網移行によって終了するサービスについて知っておくこと

IP網移行は、固定電話の利用者にとって大きな変化ですが、正確な情報と信頼性のある通信業者を選ぶことで、スムーズに移行できると思います。

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