JALの航空機が採用するCFRPとは?機体の不燃性を高める素材の秘密
2024年、新年早々に日本国内では大きな災害や事故が発生しました。今回、航空機の火災発生の非常事態に乗客乗員全員が短時間で脱出できたことも奇跡ですが、5分程度の脱出時間を確保できたのには航空機自体の材質にあるとも言えます。そこで、全損したエアバスA350―900型機の素材について調べてみました。
エアバスA350の機体の半分はCFRPでできている
JALは、最新鋭の中型旅客機であるエアバスA350を導入しています。この機体の特徴の一つは、機体の約50%が炭素繊維強化プラスチック(CFRP)でできていることです。CFRPは、炭素繊維と樹脂を重ねて焼き固めたもので、鉄やアルミよりも軽くて強いのが特徴です。CFRPには、帝人が開発した「テナックスTPCL」という素材が採用されており、機体の各部分をつなぎとめる部品として使用されています。
CFRPは火災対策にも優れている
CFRPは、機体の軽量化や燃費効率の改善に貢献するだけでなく、火災対策にも有効です。CFRPは高温になると燃焼しやすくなりますが、テナックスTPCLには難燃剤や熱防護層が添加されており、火災の拡大を防ぐようになっています。また、テナックスTPCLは熱可塑性樹脂を使用しているため、成形に数時間かかる熱硬化性樹脂と比べて、製造期間を大幅に短縮できます。これにより、火災の発生源となりうる部分の数を減らすことができます。
JALの航空機はCFRPで不燃性を高める
JALの航空機に使われている素材は、CFRPを中心に、機体の不燃性を高めることに成功しています。これにより、乗員や乗客の安全性を確保するとともに、環境にも配慮した航空機となっています。
まとめ
2024年年始に日本で発生した航空機の火災事故では、エアバスA350の素材が乗客乗員の脱出に貢献しました。エアバスA350の機体は半分がCFRPという軽くて強いプラスチックでできており、難燃剤や熱防護層が付加されています。JALはCFRPを使用した航空機を導入しており、安全性と環境性能を高めています。