映画『NOPE /ノープ』で未知の恐怖体験

ネタバレあり、レビュー記事です。鑑賞した方のみ読み進められることをお勧めします。

prime videoで【NOPE ・映画】を観る

近年、コンピューターグラフィックの技術が進歩したことで、絶滅した恐竜を映画の中で観る事ができたり(映画ジュラシックパーク)。存在はしているが、あまりにも遠すぎて見ることの出来ないブラックホールの姿を観る事ができたり(映画インターステラー)と、映画での映像体験は創造物ではありながら、実物との(そもそも比較対象が無いものもあるが)区別がつかないレベルに到達しつつあると思う。

SF映画には、これ迄、様々なタイプのクリーチャー(想像上の生き物)がスクリーンに現れたが、映画『NOPE』では、これまでにない、また新しい形態のクリーチャーが現れた。

これまでのクリーチャーといえば、高層ビル並みに巨大であったり、竜やドラゴンといった恐竜に羽が生えたようなハイブリッド形態のものが、鋭い牙を剥き出しにして威嚇したり。または「映画エイリアン」を下地にしたと思われる模倣タイプだったりと、クリーチャーの形態は、外見に多少の違いや変化があるだけで、もう数十年も想像力が停滞していたように私は思う。

映画『NOPE』に登場するクリーチャーは。これまで一般に広く浸透している共通認識を裏切り、未確認飛行物体の正体は宇宙生物(劇中では、何処からやって来たか?など詳細の説明はない)であるという設定だが。頭上を高速で飛び回る未知の巨大生物というのは斬新であり、理にかなっている。(SF映画にとって、この理に適っているという要素は、作品が説得力を持つ必須条件であると思う。)また、コインなどを高速で吐き出したり、竜巻並みの強力な吸引力で人間を吸い上げるといったいわゆるアブダクションの解釈も従来のものと一線を画している。

この、アブダクションのシーンは「映画シグナル」や「映画フォーガットン」では空に吸い込まれるというよりも落下して行く様子が描かれていた。重力を自由に操れる宇宙船が人類よりも優れた科学技術を持った異星人によって操縦されているという前提があってのシーンである。

まだ、深掘りしたい点はあるのだが、その形態や能力に至るまで、従来のクリーチャーへの深い考察によって、新たにクリーチャーが創造されていると感じる作品であった。

次回は、IMAX(アイマックス)で、新種のクリーチャーに遭遇する恐怖と感動を体感してみたい。

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