忘れたか 諫早干拓。次は新幹線?
あれ?新幹線が開通するの?佐賀県が反対してたんじゃなかったっけ?
昨年、2021年春に諫早を車で通った際に、新幹線の開業を知らせる看板を見つけたときに抱いた私の感想である。その数週間後に、諫早出身の職場の同僚に対して「新幹線が開通したら便利だよね、博多から諫早まで30分くらいになるのかな?」などと、よく調べもせずに話していたのを思い出した。30分というのは博多駅と小倉駅間が新幹線で16分であることを基準に私なりに暗算したものだ。
調べてみると、博多駅から小倉駅までは74キロあり車で高速道路を走ると1時間ほど、一方の博多駅から諫早駅までは137キロで車で1時間40分とほぼ2倍の距離と時間である。だとすると、博多駅から小倉駅までの2倍の距離にある諫早駅には30分程度を期待した私の計算はそれほど間違ってはいない。しかし、新幹線は長崎駅から武雄駅間のみで乗り換えが必要、所用時間1時間45分で料金は5,420円。
はあ~(タメ息)。勝手にハードルを上げてしっまったのは私なのだが、期待外れだ。
かつて、私は20代の頃に長崎県も、佐賀県にもしばらく住んでいたのだが、地元民の感覚からすると週末に電車に乗って天神に買い物に行くことを楽しみにしている若者は、長崎駅や諫早駅からだと天神までは2時間ほどかかり、日帰りでは行きにくい。それが佐賀駅からだと50分程、鳥栖駅から36分と気軽に出かける事ができる。夕方から開演するコンサートに行こうと思ったら長崎県民は宿泊代が必要で、佐賀県民は日帰りで行ける。
長崎駅周辺は新幹線の開通で再開発されて活気付いていると思いきや、地元の商店は福岡に客をさらに取られると心配している声があるようだ。しかし、もはや時代は2022年である。若者だけでなく老若男女がネットで買い物をする時代である。
あれっ?ジャパネットタカタの本社は佐世保ですよね。失礼、釈迦に説法でした。
新聞誌面やネットニュースで九州に住んだこともない人々がこの西九州新幹線の不可解な謎に興味を持って記事にされている。九州に住む人間としては、知られたくもない親戚の恥を晒されたような気がしていたたまれないのだが、この際、世間の審判に晒された方が解決の近道ではないかとも思う。
ネーミングも、西九州新幹線では誤解や無用な期待を抱かせるので、良いニックネームはないだろうか。というのも、武雄駅から博多駅間が開通するのは計画すら白紙で、私を含めた成人のほとんどの人々は、この世ではお目にかかれそうもないからだ。路線のほとんどが長崎県内でわずか66キロ、所用時間23分なのだから遊園地のアトラクション的なネーミングの方が良い。新幹線長崎号とか?どうだろう。