越境ECこそ円安時代の正解答:個人でも海外に向けて商品を販売できる
越境EC(クロスボーダーEC)とは、国境を越えて商品やサービスを取引する電子商取引のことです。通常、ある国の企業や個人が他の国の顧客に対して商品を販売することを指します。インターネットの普及により、消費者は世界中の商品にアクセスできるようになり、企業もグローバルな市場に参入する機会が広がりました。
円安と物価高によって給料が横ばいの日本人の生活は今後どうなるのか?との話題がニュースで取り上げられますが、給料を上げるために国内で販売価格を上げたところで、同じ日本人が購入出来るのでしょうか?
2023年10月のとあるニュース番組で、海外からの旅行客がチェーン展開しているラーメン店で一杯900円程のラーメンをすごく安いと言いながら食べている様子の後に、同じチェーン店のラーメンを米国内では5000円程度で販売されている。といった内容が放映されていました。
このニュースのように、日本人が買えないのならば、給料が上昇している国の方に日本製品を買って貰えばいいだけではないでしょうか。それは企業のみではなく、個人がハンドメイド作品を販売する場合についても同様のことが言えます。
円安によりインバウンドで潤っている業界とは
2023年になってコロナ前と変わらないくらい、外国人観光客が日本を訪れるようになってきましたが、特に以下の業界がインバウンド(外国からの訪日観光客)の増加によって利益を得ている傾向があります。
- 観光業: 外国からの観光客が増加することで、観光業全般が潤っています。ホテル、旅行代理店、観光名所、飲食店などが特に利益を享受しています。
- ショッピング: 訪日外国人観光客が多く利用するショッピングエリアや百貨店、高級ブランド店などの小売業界も円安による外国人消費者の増加で潤っています。
- 飲食業: 外国人観光客の食文化への関心が高まっており、和食や日本料理店、または外国人向けの飲食店が増加しています。
- 交通・交通手段: 訪日外国人が利用する交通機関や交通手段(航空会社、鉄道、バス、タクシーなど)も需要が増えています。
- 観光土産品: 地域特産品や日本の伝統工芸品、和菓子、お土産品なども、外国人観光客の需要に応える形で販売が拡大しています。
円安は外国からの観光客にとって日本での消費がより魅力的になる要因となっており、これらの業界では外国人観光客の増加により好況を享受しています。
海外で人気の日本製品トップ10
日本製品の中でも特に人気がある商品を挙げました。現代では、外国人観光客に限らず、インターネットを通じて日本製品を世界中の人が購入することが出来ます。
- 和食器・陶磁器 – 伝統的な日本の食器や陶磁器は、世界中で高い評価を受けています。
- カメラ・光学機器 – ニコンやキヤノンなどのカメラやレンズ、双眼鏡などは、日本製の高品質な製品として知られています。
- 自動車 – トヨタ、ホンダ、日産、マツダなどの自動車メーカーが世界的に評価され、幅広い市場で支持されています。
- 電子機器 – ソニーを含む日本の電子機器メーカーが、テレビ、音響機器、ゲーム機などを提供し、世界中で人気を博しています。
- アニメ・漫画グッズ – 日本のアニメや漫画は国際的なファンを持ち、それに伴うグッズやフィギュア、関連商品が海外で人気を集めています。
- 化粧品・スキンケア製品 – 日本の化粧品ブランドは、高品質で効果的なスキンケア製品を提供し、海外市場でも支持されています。
- 時計 – セイコーやカシオなどの日本製時計は、精度と信頼性で知られ、世界中で愛されています。
- ファッション・アパレル – 日本のファッションブランドやデザイナーの服やアパレルも、独自のデザインと品質で国外で人気を集めています。
- ホームエレクトロニクス – 日本の家電製品、特に洗濯機、冷蔵庫、エアコンなどは、性能と耐久性の高さで評価されています。
日本国内の主な越境ECサイト
- Amazon.co.jpの国際配送 – Amazon.co.jpは日本国内で利用されているECサイトですが、一部の商品は海外配送も行っており、国際的な購入が可能です。
- 楽天国際配送 – 楽天市場も日本で人気のあるECプラットフォームで、一部の出品者が国際配送を提供しています。
- ZARA(ザラ) – スペインのファッションブランドで、日本国内にも店舗がありますが、オンラインショップからの国際配送も行っています。
- Uniqlo(ユニクロ) – 世界中で人気のあるファッションブランドで、日本国内にも多くの店舗がありますが、一部商品はオンラインで国際配送が可能です。
日本人が個人で海外に販売できる越境ECサイト
ここまでは企業が取り扱っている商品が中心でしたが、企業だけが円安の恩恵を受けるわけではありません。日本国内に住む日本人が個人でハンドメイド製品を海外に販売するための越境ECサイトを活用すれば、海外に向けての販売を実現できます。
- Etsy(エッツィー):
- Etsyは、ハンドメイド製品や手作りのアイテムを販売するプラットフォームです。日本のアーティストやクリエイターが自分の作品を出品し、海外の顧客に販売できます。言語や通貨を設定し、海外向けの商品ページを作成することができます。
- Amazon Handmade:
- Amazon Handmadeは、ハンドメイドや手作りの商品を販売するAmazonのプラットフォームです。手作りのアクセサリーや雑貨、アート作品などを販売できます。国際配送を設定して、海外の顧客にも商品を届けることが可能です。
- Shopify:
- Shopifyは、オンラインストアを構築し、自分のブランドでハンドメイド商品を販売するためのプラットフォームです。Shopifyを利用して、世界中の顧客に販売することができます。多言語対応や国際配送オプションも提供されています。
これらの越境ECプラットフォームを利用することで、日本人の個人アーティストやクリエイターが手作りの商品を海外に販売し、世界中の顧客とつながることができます。価格設定がそれぞれのプラットフォームには特徴や手数料、サポート体制が異なるので、自分のニーズに合ったものを選ぶことが大切です。
さらに価格設定についてですが、冒頭のラーメンの価格を思い出して下さい。日本国内の価格と米国内の価格では5倍もの開きがありました。過去30年間、日本人の平均給与はほぼ変わっていませんが、日本円の価値はどうでしょうか?物価が高くなったとは円の価値が下がったということです。あなたの商品の価格も海外販売ではグローバルな基準での適正価格をつけましょう。