モンキー・パンチさんの大学院挑戦記 – 66歳でデジタル漫画の研究に取り組んだ理由とその成果
モンキー・パンチさんは、日本を代表する漫画家として、『ルパン三世』や『一宿一飯』などの名作を生み出しました。しかし、彼は漫画家としての地位を確立した後も、新たな挑戦を続けました。そのひとつが、66歳にして東京工科大学大学院に入学したことです。なぜ、モンキー・パンチさんは大学院に進学したのでしょうか。そして、その後の活動はどのようなものだったのでしょうか。今回は、モンキー・パンチさんの大学院時代とその後の活動について紹介します。
大学院に進学した動機 – デジタル化する漫画の世界に対応するため
モンキー・パンチさんは、2003年4月、66歳にして、東京工科大学大学院メディア学研究科メディア学専攻(現・バイオ・情報メディア研究科メディアサイエンス専攻)修士課程(現・博士前期課程)に入学しました。彼は、自分の作品をデジタル化することに興味を持っており、コンピュータを使った漫画の制作や流通について学びたかったと語っています。また、漫画の表現や技法を理論化し、後進に伝えることも目的のひとつだったと言います。
モンキー・パンチさんは、1975年ごろからパソコンに触れ、1988年からはマッキントッシュを仕事にも用いていました。彼は、漫画の制作だけでなく、流通やメディアもデジタルになると予測しており、来るべきデジタル漫画時代に備えるべく、大学院で研究を進めました。
大学院での研究と修了 – ルパン三世のキャラクターを題材にしたデジタル漫画の考察
モンキー・パンチさんは、大学院での研究を通じて、デジタルデータとなった漫画の表現手法や制作のためのツールに求められる機能などを検討しました。彼は、自らの代表作である『ルパン三世』のキャラクターを題材にして、デジタル漫画の可能性を探求しました。彼は、デジタル漫画は紙媒体の漫画とは異なる特徴を持ち、それに応じた新しい表現や技法が必要であると考えました。
モンキー・パンチさんは、2005年3月に修士論文「電子(デジタル)出版によるデジタル漫画の考察とそのキャラクター」を執筆し、修士(メディア学)の学位を授与されました。彼は、修了証書と記念品の授与式に出席し、指導教員の金子滿先生や同級生のおおすみ正秋氏とともに笑顔で写真に収まりました。
大学院卒業後の活動 – 漫画家と教育者としての貢献
モンキー・パンチさんは、大学院卒業後も、漫画家としての活動を続けるとともに、教育や研究にも携わりました。彼は、2005年4月より、大手前大学人文科学部メディア・芸術学科マンガ・アニメーションコース教授(2007年4月より、メディア・芸術学部マンガ・アニメーション系)として、後進の育成に尽力しました。また、2010年から2013年まで、東京工科大学の客員教授として、デジタルマンガの研究や教育にも貢献しました。
モンキー・パンチさんは、漫画家としてだけでなく、教育者や研究者としても、多くの人に影響を与えました。彼の挑戦は、漫画の可能性を広げるだけでなく、漫画の未来を担う人材の育成にも貢献しました。彼の作品や研究は、今もなお、多くの人に愛されています。