親や職場の価値観を相対化する

親や職場の価値観と距離を置くことは、自分の人生を見直すうえで欠かせない視点だ。

私の親は公務員だったが、当時は「安定した職業」という価値観が家庭の中で強く共有されていた。
しかし、その価値観が国家レベルでも正しいとは限らない。

公務員は社会に必要な存在だが、国全体の生産性を支えるのは民間の産業であり、外貨を獲得する力や国際競争力は主に民間によって生み出される。
もし公務員の比率が過度に高くなれば、財政負担が増し、国の成長力が弱まるという構造的な問題が生じる。


「安定」という価値観は時代によって揺らぐ

その一例が、2010年前後に深刻化したギリシャ危機だ。

ギリシャでは長年にわたり公務員の比率が高く、財政赤字が慢性化していた。
リーマンショック後、財政の実態が明らかになると国債が暴落し、金利が急騰し、国家が債務不履行に陥る寸前まで追い込まれた。

ユーロ加盟国であるため自国通貨を発行できず、インフレではなく、
厳しい緊縮財政と失業率の急上昇という形で国民生活が直撃した。

これはつまり、
「公務員=安定」という価値観が、国の経済状況によって簡単に揺らぐ
ということを示している。


医療・介護も“安定”ではない

医療や介護の分野も同様だ。
診療報酬や介護報酬といった“公的価格”に依存しており、外貨を稼ぐ産業ではない。

安定しているように見えても、
国の方針ひとつで収益構造が変わる脆さを抱えている。

進路を決める十代にとって、親の職業や価値観の影響は大きい。
しかし、その価値観が現在の社会や経済に適しているとは限らない。


自分の価値観はどこから来たのか

すでに社会人であるあなたには、
自分がどのような価値観に影響されて職業を選んだのか、
一度立ち止まって振り返ってほしい。

  • 親の価値観
  • 職場の常識
  • 社会の空気
  • 「安定」という言葉の重さ

それらは、あなたの人生の“前提”として深く染み込んでいる。

しかし、前提は疑っていい。
距離を置いて眺め直すことで、
初めて自分自身の人生を選び直す視点が生まれる。

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