「減らす」より「置き換える」――50代の私が82kgから9kg痩せた食事の変え方
じめに:50代になって増え続けた体重
これは、私自身が実践したダイエットについての体験談です。
この方法が誰にでも同じような結果をもたらすとは限りません。年齢や体格、生活習慣、運動量などによって適した方法は異なります。あくまで「私の場合はこうだった」という一例として参考にしていただければと思います。
一時期、50代の私は体重82kgになっていました。
そこから食生活を少しずつ見直し、1年ほどかけて73kgまで減量。結果として約9kg体重を落とすことができました。
振り返ってみると、若い頃と現在では、体重についての悩みがまったく逆です。
高校生の頃、私は陸上部で砲丸投げや円盤投げなどの投擲種目に取り組んでいました。
当時は体重がなかなか増えず、むしろ「もっと体を大きくしたい」と悩んでいたのです。
毎日1リットルの牛乳を飲み、茶碗2杯以上のご飯を食べる。
とにかく食べることを意識していましたが、それでもなかなか体重は増えませんでした。
ところが、それから30年以上が過ぎると状況は一変しました。
今度は、体重が簡単に増えるようになったのです。
仕事はデスクワークが中心で、一日の大半を椅子に座って過ごします。
その一方で、食欲は衰えません。
若い頃より外食する機会も増え、お酒を飲むようにもなりました。料理もある程度できるので、食べたいものを自分で作って楽しむこともできます。
「食べる楽しみ」は増えたのに、体を動かす機会は減っている。
考えてみれば、体重が増えるのも不思議ではありません。
健康診断の結果を見るたびに、気になる数値が目に入ります。
「そろそろ体重を減らさなければ」
そう思いながらも、生活を変えることができない。
「食べなければいい」「運動すればいい」。
頭では分かっています。
しかし、分かっていても実行できないからこそ、ダイエットは難しいのです。
「食べるな」「運動しろ」では続かなかった
ダイエットを始めようと思ったとき、最初に考えるのは食事制限や運動ではないでしょうか。
私もそうでした。
「今日はご飯を一杯だけにしよう」
「仕事が終わったらジョギングをしよう」
朝は本気でそう思っています。
ところが夕方になると、
「今日は疲れたからやめておこう」
「今日は寒いから仕方ない」
など、都合のいい言い訳が次々と出てきます。
そして、仕事帰りにコンビニへ立ち寄る。
甘いものが目に入る。
家に帰れば、いつものように夕食を食べる。
ご飯を一杯食べると、もう一杯食べたくなる。
「今日だけだから」と思いながら食べてしまう。
翌朝になって反省する。
そんなことを繰り返していました。
そこで私は、「自分は意思が弱いからダイエットできない」と考えるのを少しやめてみることにしました。
もちろん、食事や運動を自分でコントロールすることは大切です。
ただ、私たちの生活には、食欲を刺激するものがあまりにも多くあります。
コンビニ、飲食店、ドーナツ、ケーキ、スナック菓子など、仕事帰りに美味しそうなものはいくらでも目に入ります。
毎回、それらを強い意志で我慢する。
私には、その方法は長続きしませんでした。
そこで考えたのが、
「我慢する」のではなく、「食べるものを置き換える」
という方法です。
「減らす」のではなく「置き換える」
私が取り組んだのは、食事を極端に減らすことではありません。
それまで食べていたものの一部を、別の食品に置き換える方法です。
例えば、ご飯を2杯食べていたなら、いきなり主食を抜くのではなく1杯にする。
その代わり、野菜や豆腐などを食事に加える。
私の場合、こうすることで「食事そのものを減らした」という感覚が少なくなりました。
もちろん、野菜や豆腐を食べれば必ず体重が減るという意味ではありません。
大切なのは、食事全体の量やバランスを考えながら、食べ過ぎにつながっていたものの一部を別の食品に置き換えていくことです。
私にとっては、この考え方が大きな転換点になりました。
「何を食べないか」ではなく、
「何に置き換えるか」
と考えるようになったからです。
私が実際に変えた食事
まず変えたのが夕食です。
以前の私は、ご飯をかなり食べていました。
おかずを食べ、ご飯を食べる。
そして、ご飯がなくなると、もう一杯。
そこで、食事の最初に豆腐や茹でた野菜を食べるようにしました。
私にとっては、これが食事の「前菜」のような役割になりました。
その後に、ご飯といつものおかずを食べます。
すると、それまで「ご飯をもう一杯食べたい」と思っていたのが、自然と一杯で満足できる日が増えていきました。
ここでも、重要なのは「豆腐や野菜ならいくら食べてもいい」ということではありません。
私の場合は、食事のボリュームを確保しながら、主食を食べ過ぎにくくする方法として取り入れたということです。
お菓子についても、完全に禁止することはしませんでした。
大好きなドーナツを「二度と食べない」と決めるのではなく、食べる頻度や量を見直す。
毎日の習慣になっていたものを、少しずつ減らしていく。
「絶対に食べてはいけない」と決めてしまうと、かえってストレスになることがあります。
私の場合は、完全に禁止するよりも「付き合い方を変える」ほうが続けやすかったのです。
朝食も見直しました。
以前はトーストを中心に食べることが多かったのですが、置き換えを始めてからは、果物、無糖ヨーグルト、少量のシリアルなどを組み合わせるようになりました。
食品にはそれぞれ特徴があります。
「この食品を食べれば痩せる」という考え方ではなく、その日の食事全体を見ながら、食べ過ぎにならないよう組み合わせることを意識しました。
家族の食事を食べる人こそ、自分で選ぶ
もう一つ、私が意識するようになったのが、
「自分が食べるものを、自分でも選ぶ」
ということです。
家庭によっては、毎日の食事を妻や家族が作ってくれているでしょう。
私自身も、妻が食事を準備してくれることがあります。
仕事から帰ってきて、食卓に料理が並んでいる。
これはとてもありがたいことです。
しかし、自分の体重や健康を気にし始めたとき、あることに気づきました。
自分が食べるものを自分で選んでいなければ、食生活を変える選択肢そのものが少ない。
「今日はご飯を少なめにしたい」と思っていても、いつものように食卓に料理が並べば、そのまま食べてしまいます。
「野菜をもう少し食べたい」と思っていても、その日の献立になければ、自分で用意しない限り食べることができません。
だからといって、毎日の食事を作ってくれる人に「ダイエットのために献立を変えてほしい」と一方的にお願いするのも、現実には難しいでしょう。
そこで私は、妻や家族の献立を否定するのではなく、
「普段の食事を楽しみながら、自分の分については自分でも少し選択する」
という考え方に変えました。
例えば、ご飯を少し減らす。
その代わりに、自分で豆腐や野菜を用意する。
食後に何か食べたくなったら、毎回お菓子を選ぶのではなく、果物やヨーグルトを選ぶ。
これなら、家族全員の食事を大きく変えなくても、自分の食生活を少しずつ見直すことができます。
料理が苦手でも、難しい料理を作る必要はありません。
果物を買って切る。
豆腐を用意する。
野菜を茹でる。
それだけでも十分です。
大切なのは料理の腕ではなく、
「自分の体に入れるものを、自分でも選んでいる」
という意識だと思います。
これまで私は、食事について「出されたものを食べる」という感覚が強かったのかもしれません。
しかし、体重を減らそうと考えたことで、食事は単なる日常の習慣ではなく、自分の体をつくるための選択でもあると考えるようになりました。
1年間で約9kg。変わったのは体重だけではなかった
こうした小さな変更を、毎日の生活の中で続けました。
ご飯を2杯から1杯にする。
その代わり、野菜や豆腐などを食事に加える。
お菓子を完全に禁止するのではなく、頻度や量を見直す。
朝食の組み合わせを変える。
食べる順番を意識する。
そして、食事そのものを極端に減らさない。
その結果、私は1年ほどかけて82kgから73kgまで体重を落とすことができました。
約9kgの減量です。
もちろん、これは私自身の結果です。
同じ方法を実践したからといって、誰もが同じように体重を減らせるわけではありません。
また、持病がある場合や食事制限が必要な場合などは、自己判断で大きく食生活を変えるのではなく、医師や管理栄養士などの専門家に相談することも大切です。
それでも、私にとって一番大きかったのは、
「ダイエット=我慢」という考え方から抜け出せたこと
でした。
毎日、強い意志で食欲と戦う。
それよりも、
「最初から食べるものを少し変えておく」
ほうが、私には続けやすかったのです。
ダイエットは「意思の強さ」を競うものではない
振り返ってみると、私が82kgまで体重を増やしたのは、ある日突然のことではありません。
毎日の食事や生活習慣が、少しずつ積み重なった結果です。
だから、元に戻していくときも、一気に生活を変える必要はないのかもしれません。
ダイエットというと、
「食べない」
「我慢する」
「激しく運動する」
というイメージがあります。
もちろん、食事や運動を見直すことは大切です。
ただ、私の場合は、何かを完全に断つよりも、
「置き換える」
という方法のほうが生活に取り入れやすかった。
ここが一番大きなポイントでした。
食べたい気持ちを無理に抑え込むのではなく、食卓そのものを少し変えてみる。
ご飯を減らすなら、その分を別の食品に置き換える。
お菓子を毎日食べていたなら、頻度や量を見直す。
そして、完璧を目指さない。
一日食べ過ぎたからといって、そこで全部を諦める必要もありません。
翌日から、また元に戻せばいい。
私にとってダイエットは、「強い意思を持った人だけが成功するもの」ではありませんでした。
むしろ、
意思の力をそれほど使わなくても続けられる環境を、自分で少しずつ作っていくこと。
それが重要だったように思います。
もし今、体重計の数字を見てため息をついているなら、いきなり「何を食べないか」を決めなくてもいいのではないでしょうか。
まずは、いつもの食事の中から一つだけ選んでみる。
「これを少し減らしたら、何に置き換えられるだろう?」
私の場合、その小さな発想の転換が、82kgから73kgへの1年間につながりました。
「減らす」より「置き換える」。
これが、私が自分の体験からたどり着いた、無理なく続けやすかった食生活の見直し方です。

